【鎌倉はんこ】夫婦で国家検定資格の一級技能士を取得
夫婦で資格保有は神奈川県初!
鎌倉市御成町の印章店「鎌倉はんこ」を経営する月野允裕さんと奥様の千恵子さんが国家検定資格である印章彫刻技能士(木口彫刻作業)の検定を受け、一級を取得しました。ご夫婦で一級を有するのは、全国で5組程度、神奈川県内では唯一とのこと。月野允裕さんは「大量生産の文具としての印鑑ではなく、職人が作っている工芸、美術品同様の価値を伝えていきたいと思っています。お客様の想いを汲み取り、互いの技術と経験を掛け合わせることで、最高の品質を追求していきたい」と想いを新たにしています。
お客様にはもちろん、印章業界の職人技術の底上げも視野に
印章彫刻技能士(木口彫刻作業)の資格検定は3年に1度しか行われません。この希少な機会のために、仕事の時間以外にも技術を磨く時間を要し、本番を見据えて50本もの柘材使って彫り込みを続けたといいます。2025年1月に横浜市内で行われた試験では、県内で月野さん夫婦のみが受験。全国では、一級、二級あわせて約110人が受験したそうです。
実技試験では、1円玉とほぼ同じサイズの柘材に16文字を手彫りする
月野さんは、印章業界における職人の減少を危惧しています。月野さんによると、現在印章店はネット販売なども含め約1万箇所存在するが、このうち鎌倉はんこも加盟する公益社団法人全日本印章業協会の加盟は、2000年に約3000、2010年に約1600、2015年に約1200まで落ち込み、現在700となっているのだとか。さらに同協会の中でも、一級技能士の有資格者は全国で100~150ではないかという。
「このほど、一級印章彫刻技能士の資格を取得することができて大変うれしく思います。個人としては、日ごろからお世話になっているお客様に対し、確かな技術で作った印鑑をご提供できるという安心感を感じていただければいう想いと、年々減少している印章業界の中で職人を目指そうとしている方々への啓蒙となればという想いがあります。人生の大切な場面で使われる印鑑の本来あるべき姿を目指していきたい」と月野さん。
鎌倉はんこがオープンしたのは2016年。当初は、観光客が手軽にお土産として帰る印鑑も多く扱っていましたが、鎌倉時代からはんこによる証明文化や社寺における御朱印文化が息づく鎌倉市で経営をしているうちに、職人として印章道を極めたいという想いが年々強くなってきたそう。大きな”勲章”を得ましたが、月野さんご夫婦のチャレンジはまだまだ続きます。
第3回中印連技術競技大会 夫婦で金賞を受賞!
2025年7月、印章業界の大きな競技会のひとつ、第3回中印連技術競技大会の「木口 実印」の部で月野允裕さんが金賞(全国印章技能士会連合会長賞)に、月野千恵子さんが「木口角印 古印体」の部で金賞(近畿印章業連盟会長賞)にそれぞれ内定。10月に開かれる同大会式典授与式に参加することとなりました。
一級印章彫刻技能士の資格も、協議会での入賞も通過点のひとつ。月野さんは「これがゴールではなく、これからも技術を研鑽するためのステップアップとしたい。印章業界にいい流れを作って底上げが図れれば嬉しいですね」と話しています。
●鎌倉はんこについての動画
https://youtu.be/Yew75p1veWM<外部リンク>
https://youtu.be/NpOrvMKBkEE<外部リンク>