【2026年】第68回 鎌倉薪能

【2026年】第68回 鎌倉薪能

演目・出演者紹介

素謡「翁​(おきな)」

素謡「翁」 撮影:辻井 清一郎

素謡「翁」 撮影:辻井 清一郎

「どうどうたらりたらりら、たらりららりららりどう」という神聖な謡が会場に響きます。その詞章は「天下泰平・国土安穏」など、祝福に満ちた謡になっています。

「翁」は正月や祝賀能など、特別な公演の時にしか上演されない演目です。「翁は能にして能にあらず」と言われるように、他の曲と一線を画し、神聖視されています。「翁」には演劇的な筋立てはありません。儀式性が強い祝福の曲です。

今回は着座のままで、謡のみを聴かせる素謡の形式で上演します。

出典:能楽金春流情報サイトより

演者

シテ 金春 憲和(金春流81世宗家)

狂言「清水(しみず)」

狂言「清水」 撮影:政川 慎収

狂言「清水」 撮影:政川 慎収

主人(アド)が、茶会の水を汲みに野中の清水へ行くよう太郎冠者(シテ)に命じる。太郎冠者は行くのを嫌がるが、主人の秘蔵の桶を持たされて渋々と清水へ向かう。

不満に思う太郎冠者は、桶を道端に捨て置き、「痛い、痛い」と叫びながら逃げ帰る。太郎冠者は鬼に襲われたと告げるが、主人は桶を心配する。太郎冠者が桶を取りに行こうとしないので、主人は怒って清水へ行く。

そこで太郎冠者は先回りして主人を待ち構え、鬼の面を掛けて脅すが……。
鬼に扮した太郎冠者の演技が見どころの一つ。鬼の面は狂言面の「武悪」。

解説:中司由起子
(法政大学能楽研究所兼任所員)

演者

シテ 野村 裕基(和泉流)

能「黒塚(くろづか)」

能「黒塚」シテ 髙橋 忍 撮影:辻井 清一郎

能「黒塚」シテ 髙橋 忍 撮影:辻井 清一郎

諸国を廻り修行をする阿闍梨祐慶(ワキ)が、従者(ワキツレ)を伴い陸奥安達ヶ原を訪れる。祐慶が一軒の庵に宿を乞うと、女(前シテ)が一行を内へ招き入れる。

女は枠桛輪〔糸車〕で糸繰りのさまを見せ、憂き世の辛さを謡う。やがて夜が更け、寒さが増したので、女は薪を集めに行こうとする。女は「閨の中をけっして見てはいけない」と祐慶に言い、山へ出かけて行く。しかし祐慶が眠りにつくと、能力〔山伏の召使〕(アイ)が閨をこっそりのぞいてしまう。

閨に死体が山と積まれているのを見た能力は、祐慶に報告。驚いた一行は逃げ出すが、鬼女(後シテ)となった女が約束を破ったことを恨み、襲いかかる。

安達ヶ原の黒塚には鬼が住むという伝承を基にした能。単に恐ろしいだけではなく、人間的な苦悩をも感じさせる鬼女が登場する。女が枠桛輪を回しながら謡う「糸尽くし」の歌も聞きどころ。

解説:中司由起子
(法政大学能楽研究所兼任所員)

演者

シテ 金春 安明(金春流80世)
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